小さな種・ここるは福井県鯖江市に法人本部を持つ障がい福祉サービス(就労継続支援A型事業)を行うNPO法人です。2つのカフェの運営とカフェで使用する野菜づくりや原木椎茸栽培を中心としたファーム事業、農作物の六次化、クリーニング事業を営んでいます。

ここるの歩み

はじまりはここから・・・

平成14年に鯖江市から(NPO法人)さばえNPOサポートに対し、鯖江市嚮陽会館1階の空き店舗(附属レストラン)の有効活用に関して相談がありました。

さばえNPOサポートは様々な活動を通して、食育の推進活動、安心安全な食材づくり、おふくろの味を継承する活動など、市内には食に関わる高い意識と見識をもたれている方々が多くおられるという情報を集積していました。その後の調査で、障がいの有無に関係なく、飲食施設での就労を希望する方が大勢おられることもわかりました。そして、そのようなチャレンジドの方を応援をしたいという想いを持つ方も地域に多数おられました。そこでさばえNPOサポートが呼びかけ人となり、さまざまな分野の市民有志が一同に介し準備会が立ち上げられることになりました。"安心・安全な地産地消の食材を使い、地域の人が気軽に集えるカフェをつくろう"また、"障がいの有無にかかわらず誰しもが夢や誇りをもって働ける場を提供しよう"という2つのコンセプトをもとに構想を膨らませ、たくさんの方の応援と希望をのせて少しずつ動き始めたコミュニティカフェプロジェクト。

石川県加賀市山代温泉「はづちを楽堂」、加賀市「竹の浦館」など県内外随所見学に行きました。

石川県加賀市山代温泉「はづちを楽堂」
加賀市竹の浦館

その後、コミュニティビジネスセミナーなどへの参加、さらに地産地消部会を立ち上げ試食会の企画、コミュニティカフェづくりのためのボランティアの方々による実行委員会の発足など着々と準備は進みました。

市民によるまちづくり推進条例

当時、市民によるまちづくりをより促進・発展させるために、鯖江市では市民によるまちづくり推進条例制定のための計画が実行にうつされていました。

この条例の施行を待って、さばえNPOサポートは平成15年12月市民協働推進会議に、「市民活動によるまちづくり推進条例による協働パイロット事業」としてコミュニティカフェ事業を提案することになりました。そして、平成16年10月コミュニティカフェ事業が鯖江市の「協働パイロット事業」として正式認定されました。その翌月「コミュニティカフェ事業に関するパートナシップ協定」をさばえNPOサポートと鯖江市が締結しました。

建設準備の傍らで店名を市の広報で募集し、決まったのが「ここる」という名前でした。漢字では"心流"と書きます。かたくなになっている人の想いが「ここる」で自然に解かされて流れ出す。1人ひとりの想いが交わり、1つの流れとなってその場を満たしながら流れていく。そんな場所でありたいという想いが込められています。

café&lunchここるの始まり

平成16年12月、café&lunchここるのオープンに向けて嚮陽会館喫茶コーナーのバリアフリー化、改修・修繕工事がはじまりました。

そしてみんなで夢を描きはじめてから約3年後の平成17年3月、本当にたくさんの応援・協力してくださる方々のお力をお借りして『café&lunchここる』がオープンしました。

小さな種・ここるの誕生

平成23年10月、それまでの実行委員会が中心となり、ここるはNPO法人格を取得、(NPO法人)小さな種・ここるとなりました。同時に長年お世話になったさばえNPOサポートから独立しました。法人格取得後には、『café&lunchここる』に安心安全な農作物を提供し、六次化の推進を図るなど休閑地等の有効活用を目的とした『ここるファーム事業』が新たにスタートしました。

このとき鯖江市の市民主役推進事業の1つ、「地産地消推進"さばえの味再発見事業"」もスタートしました。事業の主役は鯖江市内にある高校の生徒の方であり、『cafe&lunchここる』や『ここるファーム』を舞台に高校生レストランなどの新たな協働事業がこの年からはじまりました。また、地域でのおせち料理教室の開催や、ハーブ教室の開催などの活動もスタートしました。

就労継続支援A型事業所『ここる』スタート!

さらに多くのチャレンジドの方々の就労を支援するために、平成24年12月1日、就労継続支援A型事業所『ここる』を開所することになりました。

その後、平成25年11月には「地産地消給食等メニューコンテスト」北陸農政局長賞を受賞しました。今後もおふくろの味、ふるさとの味を守り提案するという活動を継続していこうとの思いを新たにしました。

こんな駅があったらいいな・・・

JR鯖江駅は鯖江市の玄関口でありながらも、駅の2階は20年以上に亘り空きスペースの状態が続いていました。平成26年に気軽に地域の方が集まり憩える場づくりのために、学生から市の活性化策を募る「第6回鯖江地域活性化プランコンテスト」が開催され、駅を"図書館として活用しては"との提案を市が採用。当法人と(NPO法人)コンフォート鯖江でつくる「駅ライブラリー協働事業体」が結成され、図書館+カフェ+ライブスペースがある『えきライブラリー tetote』を平成27年1月にオープンしました。

その後、平成30年2月には日本福祉文化学会福祉文化実践学会賞を受賞しました。この受賞はその後の当法人の取り組みの新たな起点となりました。

「衣」「食」「住」

私たちが生きる上で、”衣食住"の"衣"は欠くことのできない極めて大切なものであり文化です。介護施設等で生活されるご高齢の方々の快適な暮らしをサポートさせていただきたいという思いから、平成30年4月『クリーニングふわっと』が開所しました。老人介護保健施設、特別養護老人ホーム等の利用者様の衣類や他の事業所様のタオル類などをお預かりし、仕上がり品をお客様のもとに配達致します。店名にもありますように洗い上がり後は"ふわっと"仕上げ、
大切なお客様のことを考えながら1点1点丁寧に畳んでいく。お客様からの「ありがとう。」の言葉が日々の仕事のやりがいです。

この先もまだまだここるのチャレンジは続きます。"働きたい"という気持ちに障がいの有無は関係ない。一人ひとりを"〇〇障がいがある人"と見るのではなく、その方のこれまで歩んできた人生の経験や知識を大切にしていきます。「できないこと」ではなく、「できること」に目を向けて互いに敬意を持って歩み寄る。そんな気持ちをこれからもずっと忘れずに・・・。

法人概要

法人名特定非営利活動法人 小さな種・ここる
事業所名ここる
代表者理事長 清水孝次
所在地〒916-0056
福井県鯖江市住吉町1丁目1-19
TEL/FAX:0778-77-2022
Mail(法人本部):cocoru0325@ur.ttn.ne.jp
設立年月日平成23年9月28日
(café&lunchここるOPEN:平成17年3月)
事業障がい福祉サービス(就労継続支援A型事業)
事業内容・障がい者自立支援法に基づく障がい者福祉サービス事業
・障がい者の就労支援のための農作物の生産と販売に関する事業
・障がい者の雇用支援に係る公共施設の管理運営に関する事業

沿革

2003年 加賀市山代温泉「はづちを楽堂」への視察、コミュニティカフェ事業実行委員会発足
2003年 12月市民協働会議に協働パイロット事業としてコミュニティカフェ事業を提案
2004年 10月コミュニティカフェ事業を鯖江市の協働パイロット事業として認定
2004年 11月 コミュニティカフェ事業に関するパートナーシップ協定
2005年 3月 café&lunchここる開店
2011年 10月NPO法人格取得。ここるファーム事業開始「地産地消推進"さばえの味再発見事業"」スタート
2012年 12月 就労継続支援A型事業所「ここる」開所
2013年 11月「地産地消給食等メニューコンテスト」北陸農政局長賞 受賞
2015年 1月JR鯖江駅2F「えきライブラリー tetote」オープン
2015年 3月 10周年記念式典&パーティーに240名以上が参加
2018年 2月日本福祉文化学会 福祉文化実践学会賞 受賞
2018年 4月「クリーニングふわっと」(法人向けクリーニング事業)オープン

建物概要

creation factoryここる

〒916-0056 福井県鯖江市住吉町1丁目1-19
TEL/FAX:0778-77-2022

café&lunchここる

〒916-0027 福井県鯖江市桜町2丁目7-1
TEL/FAX:0778-54-0553 

えきライブラリーtetote

〒916-0053 福井県鯖江市日の出町1-2
TEL:0778-42-5886

クリーニングふわっと

〒916-0044 福井県鯖江市五郎丸町8-3
TEL:0778-52-2810  FAX:0778-29-3350

ここるファーム

鯖江市下新庄町
TEL:0778-77-2022